5G通信の信号遅延・伝送損失を低減する基板材料
低誘電ボンディングシート
5G通信における課題

年々発展を続ける5G通信技術、そこで用いられる高速伝送回路ではギガヘルツ帯以上の高周波信号が流れており、従来通りの基板材料では信号遅延・伝送損失といった課題が生じてしまいます。
そこで、出来る限り低い誘電率/誘電正接を持つ材料を採用し、信号遅延・伝送損失を低減する基板設計が求められています。
製品概要
トーヨーケムの提供する低誘電ボンディングシート

多層FPCの断面図(例)
トーヨーケムが強みとする『樹脂開発』『均一分散』『シート化』の技術により開発した、低誘電率/誘電正接の接着シートです。
高速伝送化に伴い低誘電化が必要とされる多層FPCの層間接着に最適です。

製品外観
また従来トレードオフとなっていた『低誘電率/誘電正接』『接着力』『耐熱性』『穴あけ加工性』を兼ね備えることに成功しました。
特長
低誘電率/誘電正接
比誘電率(Dk) 2.8以下
回路上を高周波信号が流れる際、電子の捕捉を抑制することで信号遅延を低減します
誘電正接(Df) 0.0020以下
回路上を高周波信号が流れる際、信号の電気エネルギーが熱に変換されることを抑制することで伝送損失を低減します
高い接着力
対LCP/MPI接着力 10N/cm以上
通常では接着が難しい高周波対応の銅箔や基板材料に対しても、高い接着力を有しています。
※LCP:Liquid Crystal Polymer MPI:Modified PI
耐熱性
はんだ耐熱試験288℃ クリア
はんだ工程により高熱が加わった際にも、発泡や剥離が生じません。
優れた穴あけ加工性
穴あけ加工時のエグレを最小化
多層FPCのビアホールやスルーホールを形成する穴あけ加工(レーザー/ドリル等)の際に生じるエグレを最小限に抑えることが可能です。
基本物性一覧
誘電特性 | 比誘電率(Dk) | 2.8 以下 |
---|---|---|
誘電正接(Df) | 0.0020 以下 | |
接着強度(90°ピール) | 対LCP(Liquid Crystal Polymer) | 10N/cm 以上 |
対MPI(Modified PI) | 10N/cm 以上 | |
はんだ耐熱試験 | 288℃ 合格 | |
穴あけ加工試験 | 合格 |